Japanische Klassiker mit Furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lesen Sie 探偵夜話 (たんていやわ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.363 Zeichen · 277 Bildschirme
唯それだけならば、狸めのいたずらで事が済むのですが、その墓が尼さんの……。」
「まあ。」と、祖母は息をのんだ。そばで聞いている僕も耳をかたむけた。
あとでその事件を父に訴えると、父はただ冷やかに笑っていた。
「狸めはよくそんないたずらをするものだ。」
父の解釈は単にそれだけであったが、村の者はそれを狸のいたずらとのみ見過ごさないで、その以上に深い秘密がひそんでいるように解釈するものが多かった。地蔵尼は非常に犬を嫌っていた。その死体の脛にも薄い歯のあとが残っていた。その新しい墓土を狸がほり起こしに来て、犬に咬み殺された。こういう事実をむすび付けて考えると、地蔵尼と犬と狸と、そのあいだに何かの連絡がありそうにも思われた。尼に対する一種の疑惑が又もや強い力をもって大勢の心を支配するようになった。
「あの尼はやっぱり尋常の人間じゃない。狸だ、狸だ。」
死体の※(「月+径のつくり」、第4水準2-85-21)に残っていた歯のあとがいよいよ有力の証拠となって、尼は犬にくい殺されたものと決められてしまった。喜蔵と重太郎とが通り過ぎたあとで、尼はまだそこをうろうろしているところを、野良犬に咬まれたに相違ないと、多数の意見が一致した。