Japanische Klassiker mit Furigana
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しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme
『かなしいことを云う、まだ眼は見える』
『今、あなた様の身に、短刀を持って突いてかかった町人ていの男は、あれや、千坂兵部のまわし者、十八尺と仮名しておる屈強な隠密の一名でござりまするぞ。いかに、御気散じとはいいながら、あなた様の御一身が、どれ程、大事なお立場にあるか、又、自身の身であっても、或る時節までは、自身の身でないものとはお考えに成りませぬか!』
『なんじゃ、又之丞、おぬしはこの内蔵助に、叱言を申しに参ったか』
『偶然、三十石船のうちで、お姿を見かけ申したのは、亡君のお導きでござりましょうわい。――赤穂表の御一周忌にはお出でなされたのでござるか』
『行った』
と、内蔵助は、首を垂れて、
『華岳寺でな、いと、盛大な御供養であった。元を忘れぬ領下の町人やら浜方やら百姓までが、香華を携えて、参拝に来てくれたには、この身も思わず、涙がもよおされた』
『その御一周忌に御参拝ありながら、まだ、山科へお帰りもないうちに、この遊興沙汰は何事でござりますか。余りにも、醜しい』
又之丞の尾について、唯七も、
『とに角、一度、吾々と共に、山科までお帰りあっては何うでござる。お留守のうちに、種々とお耳に入れねばならぬ事や、協議いたさねばならぬ事もたまって居ります』