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Japanische Klassiker mit Furigana

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しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme

Aozora Bunko

中央よりは、むしろ、極端になるのが、こんな禁令厳行の場合というと、有りがちな状態である。お犬様に馴つかれたら、貧乏人は、立ち所に、一家困窮に見まわれる。お犬様には、白米を食わせ、家族は飢えを忍ばねばならない。わが子の病気に薬はやれなくとも、お犬様が病めば、犬医者を迎え、死ねば、家主長屋の連名で役所へ届け、葬儀は鄭重をきわめねばならないのだ。もし、怠れば、追放、百叩き、長牢、遠島、わるくすれば、死罪がいい渡される。

これは、各藩とも、同じであった。お犬様令は、国法なのだ。領主により、地方により、手加減はやっているが、隣藩のざん訴が恐いので、むしろ競って、人間は犬以下であるこの法律を厳行しあっていた。現将軍の名が綱吉ということは知らない百姓の子でも「犬公方」といえば何だか知っている。野良犬の歩いて来るのを見れば――こういう動物をそのまま人間の形にした途方もなく偉い存在――が、それだと思うのであった。そして、辻や空き地でキャンキャンいっている野良犬は、みな犬公方の眷族であるから、この地上では自分たち人間は皆、その犬よりも下の動物なのだというあきらめの中に住んでいた。