Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme
『いるぞっ――二、三名』
もうその時は、ここの前へ、かなりの人数が集まっていたのである。誰かが、前を退けと云って、炭部屋のうちへ、ばらっと半弓の矢を射込んだ。
すると、闇のうちから、奮然と、一人の若侍が斬って出た。そいつは、つい討入の前まで、邸内の夜廻りをして、ひたすら主人の夢を安かれと守っていた彼の笠原七次郎だった。
『――死なばっ』
そう云ったが、次の叫びは聞えなかった。一刀をふり被って斬って出た途端に、無数の槍と太刀の下になって、髻を散らした水々しい若さの顔が、人々の土足の邪魔をしているだけであった。
次にも又、一人の中年の侍が、捨身になって出て来たが、それは、空脛を蹴られて、一同の中へ刀を抛って、仆れ込んだ。
襟がみを掴んで、
『上野介の所在をいえ』
『有態に云わぬと、こうだぞっ』
矢田五郎左衛門が、坐っている太股へ一槍当てて責めた。その中年の侍は、頑として口を開かない。落した刀を拾って、
『くそーっ』
いきなり刃抗って来そうにしたので、
『面倒っ』
一同が、刃の下にしてしまった。
異様な緊張が、途端に、炭部屋の口を、みしみしと囲んだ。――中にまだもう一人居るのだ。