Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lesen Sie 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 337.181 Zeichen · 676 Bildschirme

Aozora Bunko

『…………』

弾正大弼は、いつの間にか、崩れるようにそこへ坐って黙然と、うな垂れていた。

兵部は、ともすると、涙声になりそうな声を、自身で励ましながら、

『徒党の首領、大石内蔵助という者には又、彼としての立場というものや、使命というものや、又臣下たるの武士道がござります。あれは、ああするのが、最善の武士の道かも分りません――と云って、殿が、上杉家が、ただ眼前の事態に憤って、それへぶつかって行くというのは、決して、大義ではござりませぬ。嘲う者は心なき町人ずれの事、真の識者や、武門の何であるかを知る者は、よも浅慮に御当家を、卑怯の、不孝のとは、申しますまい』

『兵部っ……わ、わかった……。そちのことばを、藩祖のお叱りと、わしは聞く』

『勿体ない』

兵部は平身して、

『では、御得心が参りましたか』

『過った。わしはあやうく、浅野内匠頭と同じ轍を踏むところであった』

『冷えまする……殿……お起ち下さいませ。大事なお体、しかも御病中、さ、御病間へ』

と、太守の手を取って、奥まで連れて行った。

ふたりの他、誰も従いて来なかった。そこを閉め切ると、弾正大弼は突然、兵部のからだに抱きついて、