Japanische Klassiker mit Furigana
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
Lesen Sie 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) von 内田 魯庵 (うちだろあん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.401 Zeichen · 427 Bildschirme
と、人種競争の避くべからざる所以を歴史的に説いて「この覚悟で国民の決心を固め、将来の国是を定めないと、何十年後に亡国の恨みがないとも限らない、」と反覆痛言した事があった。二葉亭の青年時代の国際的興味が再び熱沸して来たのはその頃からで、この憂国の至誠から鋭意熱心に東洋問題の解決を研究するので、決して大言壮語を喜ぶ単純なる志士気質やあるいは国家を飯の種とする政治家肌からではなかった。二葉亭の文学方面をのみ知る人は政治を偏重する昔の士族気質から産出した気紛れのように思うが、決してんな浮いた泡のような空想ではなかったので、牢乎として抜くべからざる多年の根強い根柢があったのだ。今にして思うと、三十年前に人種競争の止むを得ざる結果から欧亜の大衝突の当然来るべきを切言した二葉亭の巨眼は推服すべきものであった。
明治四十年の六月、突然急痾に犯されて殆んど七十余日間病牀の人となった。それから以後著るしく健康を損じて、平生健啖であったのが俄に食慾を減じ、或る時、見舞に行くと、「この頃は朝飯はお廃止だ。一日に一杯ぐらいしか喰わない。夜もおちおち寝られない、」といった。