Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
茶店を出て、一間ほども行きすぎると、庄太はうしろを見かえりながらささやいた。
「親分。うまく突き当りましたね」
「犬もあるけば棒に当るとは此の事だ。もうこれで何もかもすっかり当りが付いた」と、半七はほほえんだ。
「けれども、まだ判らねえことがありますぜ」と、庄太は仔細らしく首をひねっていた。「その子供の身許はそれで判ったが、どうしてそれが黒沼の屋敷の大屋根に落ちていたんだろう。それがどうも腑におちねえ。一体、親分が今時分こんなところへ出てくるのがおかしいと思っていたんだが、十万坪へ行くの、砂村へおまいりするのと云って、なにか最初から心あたりがあったんですかえ」
「まんざらないこともなかったが、あんまり雲を掴むような話で、おめえに笑われるのも業腹だから実は今まで黙っていたが、おめえをここまで引っ張り出したのは、もしやという心頼みがちっとはあったんだ」
「それにしても、こっちの方角とはどうして見当を付けなすった」
「それがおかしい。まあ、聞いてくれ」と、半七は又ほほえんだ。「黒沼の屋敷へ云って、用人の部屋で娘の死骸をみせて貰うと、からだには別に疵らしい痕もねえから、病死したものをそっと運んで来たのかとも思ったが、よく見ると娘の襟っ首に小さい爪のあとのようなものが薄く残っている。