Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
おめえは芸人、相手は町人、なにも御家の御法度を破ったという訳でもねえから、そんなに怖がって隠すこともあるめえ。いよいよという時にゃあ、俺だって馴染み甲斐に魚っ子の一尾も持ってお祝いに行こうと思っているんだ。惚気がまじっても構わねえ、万事正直に云って貰おうじゃねえか。おらあ黙って聞き手になるから」
「どうも相済みません」
「済むも済まねえもあるもんか。そりゃあそっち同士の芝居だ」と、半七は相変らず笑っていた。
「そこで、その千次郎という男は、無論に師匠ひとりを大切に守っているんだろうね。無暗に食い散らしをするような浮気者じゃあるめえね」
「それがどうも判りませんの」と、お登久は妬ましそうに云った。「確かな手証は見とどけませんけれど、合羽坂の質屋にいた時分から何か引っ懸りがあるように思われるので、あたしは何だか好い心持がしないもんですから、時々それをむずかしく云い出しますと、いいえ決してそんなことはないと、どこまでもしらを切っているんです」
千次郎は夜泊りなどをする様子はない。商売用のほかに方々遊びあるく様子もない。合羽坂にいるときから鬼子母神様が信仰で、月に二、三度はかならず参詣に来る。