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Japanische Klassiker mit Furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme

Aozora Bunko

「いや、ありがとう。姐さん、いずれまたお礼に来るぜ」

幾らか包んだものを女中にやって、半七は茗荷屋の門を出ると、松吉もあとから付いて来てささやいた。

「親分、なるほどちっとは当りが付いて来たようですね。なにしろ、その千次郎という野郎を引き挙げなけりゃあいけますめえ」

「そうだ」と、半七もうなずいた。「だが、素人のことだ。いつまで何処に隠れてもいられめえ。ほとぼりの冷めた頃にゃあ、きっとぶらぶら出て来るに違げえねえ。てめえはこれから新宿へ行って、その古着屋と師匠の家の近所を毎日見張っていろ」

「ようがす。きっと受け合いました」

松吉に別れて、半七はまっすぐに神田へ帰ろうと思ったが、自分はまだ一度もその現場を見とどけたことがないので、念のために帰途に市ヶ谷へ廻ることにした。合羽坂下へ来た頃には春の日ももう暮れかかっていた。酒屋の裏へはいって、格子の外からおみよの家の様子を一応うかがって、それから家主の酒屋をたずねると、御用で来た人だと聞いて、帳場にいた家主も形をあらためた。

「御苦労さまでございます。なにか御用でございますか」

「この裏の娘の家には、その後なんにも変ったことはありませんかね」