Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
それでも天気になって徳ちゃんは後生がいいなどと云うものもあった。弟の葬式ではあるが、なにかの世話を焼くために徳蔵も一緒に出て行った。お留は門送りだけで家に残っていた。
雨は晴れたが、本所あたりの路は悪かった。そのぬかるみを渡りながら、半七はわざと後の方に引き下がって利兵衛と並んで歩いた。
「徳蔵は又お店へ行ったんですかえ」と、半七は歩きながらそっと訊いた。
「また押し掛けて来て困りました」
徳蔵は三両のとむらい金を貰って一旦帰ったのであるが、午すぎになって又出直して来て、どうでも葬式を出すまえにこの一件の埒をあけてくれと迫った。自分の家の宗旨は火葬であるから、死骸を焼いてしまえば何も証拠が残らないことになる。どうしても死骸を寝かしている間になんとか決めてくれないでは困るというのであった。山城屋でも持て余して、半七の家へ使をやると、彼はもう出てしまったあとなので、どうすることも出来なかった。何やかやと捫着しているうちに、徳蔵の声はだんだん大きくなるので、山城屋の主人も我を折って、かれの要求する三百両に対して百両を提供して、この以上はどうしても肯くことはならない、これで不承知ならどうともしろと云い渡すと、徳蔵の方でも我を折って、とうとうそれで納得することになった。