Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
俗に番屋とも云います。むかしは地主が自身に詰めたので自身番と云ったんだそうですが、後にはそれが一つの株になって、自身番の親方というのがそれを預かって、ほかに店番の男が二、三人ぐらい詰めていました。大きい自身番には、五、六人も控えているのがありました。その頃の火の見梯子は、自身番の屋根の上に付いていて、火事があると店の男が半鐘を撞くか、または町内の番太郎が撞くことになっていました。それですから半鐘になにかの間違いがあれば、さしずめ自身番のものが責任を帯びなければならないのです。今お話し申すのは小さい自身番で、親方が佐兵衛、ほかに手下の定番が二人詰めているだけでした」
佐兵衛はもう五十ぐらいの独身者で、冬になるといつも疝気に悩んでいる男であった。ほかの二人は伝七と長作と云って、これも四十を越した独身者であった。この三人は当の責任者であるだけに、町役人からも厳しく叱られて、毎晩交代で火の見梯子を見張っていることになった。彼等が夜通し厳重に見張っているあいだは別になんの変ったこともなかったが、少し油断して横着をきめると、半鐘はあたかもかれらの懶惰を戒めるように、おのずからじゃんじゃん鳴り出した。