Japanische Klassiker mit Furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lesen Sie 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 158.540 Zeichen · 319 Bildschirme
「それから自身番へ引き摺って行くと、みんなもびっくりして町内総出で見物に来ましたよ。なぜわたしが猿公と見当をつけたかと云うんですか。それは半鐘をあらために登った時に、火の見梯子に獣の爪の跡がたくさん残っていたからですよ。どうも猫でもないらしい。こいつは猿公が悪戯をするんじゃないかと、ふいと思い付いたんです。囲い者の傘の上に飛び付いたり、物干のあかい着物を攫って行ったり、どうしても猿公の仕業らしゅうござんすからね。そこで、その猿公がどこに隠れているのか、わたくしは稲荷の社だろうと見当を付けたんですが、それはちっとはずれました。けれども多分最初のうちは社の奥にかくれていて、お供物なんぞを盗み食いしていたのが、だんだん増長していろいろの悪戯を始め出して、そのうちに囲い者の家があいたもんだから、その空店の方へ巣替えをして、またまた悪さをしたんだろうと思います。可哀そうなのは権太郎で、ふだんの悪戯が祟りをなして飛んだひどい目に逢いましたが、兄貴のことは私のほかに誰も知りません。なにもかもみんな猿公の悪戯ということになってしまいました。権太郎もその化け物を退治してから、町内の人達にも可愛がられるようになりましてね。