Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lesen Sie 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.573 Zeichen · 178 Bildschirme
事件が落着してから平次は、相変らず絵解きをせがむ八五郎に、こう話して聴かせました。
「板倉屋の万兵衛は、あの抜け荷の隠し場所に困って、棟梁の佐太郎に隠し戸棚を拵えさせたが、うっかり口走られると、命がけの大事になるから、お月見に祝い酒を呑ませることにして、佐太郎を毒害したのだよ。毒は砒石だ、二本目の徳利に入っていたのだ。最初の徳利はなんにも入っていないが、酒を呑む前に、万兵衛はうんと吐根を呑んでいた、――二本目の酒――毒の入ったのは佐太郎一人で呑んだかな。同じように吐いても、主人万兵衛に別条なかった。うんと苦しそうな顔をしただけのことだ。こうして置けば誰も万兵衛に疑いはかけない」
「ヘエ、恐ろしい企らみですね」
「万兵衛は佐太郎を殺して、あの若くて可愛らしいお萩を手に入れたかったのだ。その上、妾のお常が佐太郎に気のあるのが癪に障ったんだろう」
「お萩を誘拐したのは」
「やはり主人の万兵衛だ。お萩の湯の帰りを誘って、半分は力ずくで土蔵につれ込み、隠し戸棚に入れて、気長に口説いたのだろう。お萩は賢い娘だが、どうしても外の人に自分のことを知らせる工夫はない。さんざん考えた揚句、湯へ行くので持っていた黄楊の梳き櫛に、自分の毛を五六本抜いて巻きつけ、万兵衛の袂にそっと入れた。