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Japanische Klassiker mit Furigana

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まきのとみたろうじじょでん

牧野富太郎自叙伝

牧野 富太郎

Lesen Sie 牧野富太郎自叙伝 (まきのとみたろうじじょでん) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.045 Zeichen · 185 Bildschirme

Aozora Bunko

私の今の心境

八十五歳のわれは今何をしているか

私はこの図説は世界に向かってその真価を問うつもりでいる。出版の暁は是非広く世の人に講評を仰ぎたいと思っている。私はこの二つの大きな仕事の遂行に当たり、大方の御後援、御鞭撻を賜る事を切に希望して止まない。

私の今の心境

私は去年大学を辞めて以来日夜この大使命遂行のために献身的努力を払っているのであって、決して安閑と日を過しているのではない。「三年蜚ばない鳴かない鳥も蜚んで鳴き出しゃ呼ぶ嵐」というのが、私の今の心境である。

私は植物研究の五十年を回顧して詠んだ次の句を以て、この自叙伝の終りを結びたいと思う。

草を褥に木の根を枕、花を恋して五十年

(五十年といえども、この恋はまだ醒めない)

終りに臨み、私のために永らく貴重な誌面を提供された白柳秀湖先生の御厚意に対し、深甚なる感謝の意を表したいと思う。

八十五歳のわれは今何をしているか

私は今年八十五歳になるのだが、我が専門の植物研究に毎日毎夜従事していて敢て厭く事を知らない。つまり植物学への貢献を等閑に附していないのだから、何方にも御安心を願いたい。実際私は昨年十月二十四日に山梨県北巨摩郡穂坂村の疎開先きから帰宅した。