Japanische Klassiker mit Furigana
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まきのとみたろうじじょでん
牧野富太郎自叙伝
牧野 富太郎
Lesen Sie 牧野富太郎自叙伝 (まきのとみたろうじじょでん) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.045 Zeichen · 185 Bildschirme
しかし私は運動などしてそれを得ようとはさらさら思っていない。また給料にしても、はじめから一度もあげてくれと頼んだ事はない。私はそんな事が嫌いである。それで今日私の貰っている大学の給料は僅かに大枚七十五円である(数年前久しぶりで十二円ばかりあげてくれたとき「鼻糞と同じ太さの十二円これが偉勲のしるしなりけり」と口吟んだ)。しかも三十七年勤続の私である。大抵給料というものは、三年なり五年なりにはあがるものであるが、私は依然として前記の額で甘んじている、今日七十五円で一家が支えられよう筈はないが、他は皆私が老骨に鞭打ってやっているのである、それ故不断甚だ忙しい。忙しいのはよいが、生活のためにこの物資を得る仕事で私の本来の研究がどの位妨げられているか料り知られぬ、その点は平素非常に遺憾に思っている。私はまだ学界のために真剣に研究せねばならぬ植物を山のように持っているのに、歳月は流れわが齢余す所幾何もない。感極って泣かんとすることが度々ある。
今こそ私は博士の肩書を持っている。しかし私は別に博士になりたいと思わなかった。これは友人に勧められて、退っ引きならぬ事になって、論文を出した結果である。