Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
貴様こそ一体何者だ。イヤそれは聞かなくても分っている。貴様だな長い間俺を悩まし続けた怪物は」
今帰宅したばかりの贋の品川が、平然として呶鳴り返した。
分った分った。図々しい幽霊男は、明智の追跡に耐えかねて、咄嗟の思いつきで、本当の品川の家へ逃げ込んだのだ。何という大胆不敵な、併し奇想天外の思いつきであったろう。並べて見ても見分けのつかぬ二人の品川が、お互に相手を贋物だと云い合っているのだ。
その内に、本当の品川が、やっと明智の変装姿を見分けた。
「アア、明智さんじゃありませんか。一体これはどうしたということです。あなたの前にいるのが、例の幽霊男ですよ」
すると、贋の品川も劣らず、まくし立てる。
「オヤ、あなたは明智さんですか。すると、さっきから、私のあとをつけていらっしたのは、僕を幽霊男だと誤解されたのですね。僕こそ正真正銘の品川四郎です。この男は僕の留守を幸いに、僕に化けて何か又悪事を企らんでいたのですよ。サア、こいつを捕えて下さい」
聞いている内に、どちらの云い分が本当だか分らなくなって来る。
「では、君はどうして、籠抜けなぞをして、僕を撒こうとしたのです」