Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme

Aozora Bunko

実に驚くべき早業だ。

怪物はピストルを構えたまま、運転台を降りて、客席に這入って来た。

「いくら、わめいた所で、こんな淋しい町で助けに来る奴はありゃしない。だが、念の為に鳥渡我慢して貰おう」

ピストルで身動きも出来ぬ明智の鼻の先へ、パッと飛びついて来た白いもの、いつの間に用意したのか、麻睡薬をしみ込ませたハンカチだ。

明智がじっとしている筈はない。一方の扉を蹴開いて、反対側へ飛降りようとした。

「アア、馬鹿だね君は、求めて痛い思いをするのか」

云いながら、賊はゆっくり狙いを定めて、今飛降りようとする明智の右足を撃った。バンという変な音。だが、タイヤが破れた音程高くはない。一体ピストルなんて、そんな大きな音を立てるものではないのだ。

車から半身乗り出して、ぶっ倒れたまま、苦悶している明智の顔の前に、又もや丸めたハンカチ、厭な匂、併し、今度はもう抵抗する力もない。賊の為すに任せて、押しつけられた麻睡薬に明智は不甲斐なくも、意識を失ってしまった。

偽品川は、グッタリした探偵の身体を抱き上げて、クッションの上に横たえ、出血している足の傷口には、明智のハンカチで繃帯をしてやりながら、独言の様に呟く。