Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
彼は有産社会から鬼畜呼ばわりをされながら、鋼鉄張りの神経で、どこを吹く風かと空うそぶいていた。
又、この事件で打撃を蒙ったのは独り同業者ばかりではなかった。日本の全産業界に、嘗つて前例のない、労働者横暴時代がやって来るのではないかと疑われた。というのは、岩淵紡績争議が終って、まだ一週間もたたぬ間に、全国各地の様々な製造工業に、已に五つの争議が起っていた。彼等は岩淵紡績の実例で味をしめ、増長したのだ。そこへつけ込んで、争議で飯を食っている連中の、煽動よろしきを得たのである。
すると、妙なことに、それがどんな地方で起った争議であっても、職工の要求書が提出されると同時に、岩淵紡績の場合と同じ様な脅迫状が、事業首脳者の私宅に、誰が持って来たともなく現われるのだ。令嬢なり、令息なり、令夫人なりの命を頂戴するという例の文句である。
目前、宮崎氏令嬢の実例で、怖気をふるっている資本家達は、結局職工の要求を容れることになる。でなければ、工場閉鎖だ。
この勢で、ドシドシ争議が起り、ドシドシ労働者の言分が通って行ったならば、極度の物価騰貴を招来するか、然らざれば生産工業全滅である。