Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は鳥の真似をして、張り子の翼で屋根の上から飛降りたのです。無論人々はこの頓狂な行いを見て、大笑いをしました。町奉行は彼を追放の刑に処しました。飛行機ばかりではありません。ラジオでもテレビジョンでも、昔のユートピア作者達がそれを描いた時にはいつもいつも大笑いでした。一顧の価値なき痴人の夢とけなしつけられたのです」明智がここまで喋った時、邸内のどこかで帛を裂く様な女の悲鳴が聞えた。伯爵も明智も座に居合わせた波越警部も、ハッと聞き耳を立てた。

「行って見よう。波越君」明智は警部と一緒に部屋を飛出した。見ると廊下を走って来る書生の姿。

「大変です。お嬢さまのお部屋で」皆まで聞かず、書生の案内で令嬢の部屋へ駈けつけた。甲高い罵り声、ドタンバタンと何かがぶつかる物音。ただ事でない。

明智がいきなりドアを開いた。見ると部屋の真中に、小犬の様にもつれ合う二つの肉団。一人は伯爵令嬢の美禰子さん。一人は見も知らぬ女乞食だ。しかも不思議なことに、悲鳴を上げているのは、令嬢ではなくて、不気味な女乞食の方である。

それを見た波越鬼警部は、いきなり飛込んで行って、乞食娘の横面をガンとくらわせた。