Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
相変らず、人気のない空家みたいな古洋館だ。入口の戸を押せば、難なく開く。これがあの怪賊の隠家かしら。それにしてはあんまり明けっぱなしな、不用心な隠家ではないか。
一同はドカドカと、薄暗い、ほこりだらけの屋内へ這入って行った。
幾つかの部屋を通り過ぎて、裏口に近い一室に出ると、そこに地下室への階段が開いている。
明智が先頭に立って、昼間でも真暗だものだから、用意の懐中電燈を振りながら、降りて行く。降り切った所は、物置の様な煉瓦造りの小部屋になっている。西洋のセラーという奴だ。空樽、炭俵、椅子のこわれたの、色々のがらくた道具が、滅茶苦茶に抛り込んである。この洋館にこの地下室、別段不思議もない。
「サア、愈々賊の隠家の入口へ来ました。武器の用意をして下さい」
明智が囁く様な声で云った。武器というのは、兇賊逮捕の為、特に用意されたピストルのことを意味するのだ。
「だが君、地下室はこれ丈けの部屋で、別に抜け道もない様だが、ここが隠家の入口とは、どういう意味だね」
捜査課長が、不審そうに尋ねた。
「それがこの隠家の安全な訳です。地下室の奥に又別の部屋があろうとは、誰も想像しませんからね。