Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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りょうきのはて

猟奇の果

江戸川 乱歩

Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme

Aozora Bunko

愛之助はそこで所定の金額を支払った。

さて、カフェから自動車で二十分も走ると、もう目的の場所についた。案外にもそれは、麹町区のとあるひっそりとした住宅街だ。二丁も手前で車を降りて、人通りのない淋しい町を歩いた。

「ここですよ」

紳士が指さすのを見ると、小さな門構えの中流住宅で、貸家の上りで生活しているといった構えだ。門から玄関まで一間あるかなし、家は古風な平家建である。

ポン引紳士は、その門の前に立ってキョロキョロと左右を見廻し、人通りがないと見定めると、「サア早く」と愛之助を押す様にして玄関に這入った。

「入らっしゃいまし」

敷台に三つ指ついて出迎えたのは、主婦であろう、四十がらみの品のよい丸髷婦人だ。変なことに、その婦人が重箱みたいな白木の箱を持っていて、青木が敷台に上ると、手早く彼の下駄をその箱に入れ、それを片手に抱えて先に立つ。

それから、二間ばかり通り過ぎると、茶の間らしい部屋に出た。主婦は黙ってそこの押入れの襖を開く。ハテナ、押入れの中に秘密の部屋でもあるのかしらと思って見ると、そうではない、やっぱり普通の押入れで、行李などが入れてある。