Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
猥褻に近い苦悶の表情である。蝋燭の光が、赤茶けた光を投げ、異様な隈を作っている。血は白い歯を染めて、唇から顎へとほとばしり、テーブルに接する切口の所は、さかなの腸みたいにドロドロして、その間から、神経であろうか、不気味に白い紐の様なものがトロリとはみ出している。そんな微細なことがハッキリ分る筈はないのだが、愛之助はアリアリとそれを見た様に思った。
やがて、ゾッとする様なことが起った。幽霊男があいている方の手で、変なことを始めたのだ。彼は最初指先で、はみ出している女の舌を、チョイチョイと口の中へ押し戻す様な仕草を繰返していたが、舌が歯の間に隠れてしまうと、今度は歯と歯の中へ指を入れて、それをこじ開けて、一本の指が二本になり、三本になり、遂には手首から先を、死人の口の中へ押し込んでしまったのだ。すると、口の中に溜っていた血潮が、泡を吹いて、彼の手首を伝って、泉の様に毒々しく美しく溢れ出して来るのが見えた。
次々と、ここには記し得ぬ程、惨虐で淫猥な所業が続けられた。そして幽霊男の生首遊戯はいつ果つべしとも見えぬのだ。
幽霊男が嘗つて赤い部屋で、又芳江に対してマゾッホであったと云って、それだから、彼がサドでないとは云えぬ。