Japanische Klassiker mit Furigana
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すさのおのみこと
素戔嗚尊
Lesen Sie 素戔嗚尊 (すさのおのみこと) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.917 Zeichen · 86 Bildschirme
が、その矢がいつも彼等のより高く揚る事を知ると、彼等は次第に彼の征矢に冷淡な態度を装い出した。のみならず彼等の中の何者かが、彼には到底及ばなくとも、かなり高い所まで矢を飛ばすと、反ってその方へ賛辞を与えたりした。
容貌の醜い若者は、それでも快活に矢を飛ばせ続けた。するとほかの若者たちは、誰からともなく弓を引かなくなった。だから今まで紛々と乱れ飛んでいた矢の雨も、見る見る数が少くなって来た。そうしてとうとうしまいには、彼の射る白羽の矢ばかりが、まるで昼見える流星のように、たった一筋空へ上るようになった。
その内に彼も弓を止めて、得意らしい色を浮べながら、仲間の若者たちの方を振返った。が、彼の近所にはその満足を共にすべく、一人の若者も見当らなかった。彼等はもうその時には、みんな河原の水際により集まって、美しい天の安河の流れを飛び越えるのに熱中していた。
彼等は互に競い合って、同じ河の流れにしても、幅の広い所を飛び越えようとした。時によると不運な若者は、焼太刀のように日を照り返した河の中へ転げ落ちて、眩ゆい水煙を揚げる事もあった。が、大抵は向うの汀へ、ちょうど谷を渡る鹿のように、ひらりひらりと飛び移って行った。