Japanische Klassiker mit Furigana
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すさのおのみこと
素戔嗚尊
Lesen Sie 素戔嗚尊 (すさのおのみこと) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.917 Zeichen · 86 Bildschirme
二十三
」
答えたのはあの快活な娘でなくて、彼等の中に交っていた、眼鼻も見えないような老婆であった。
「何、素戔嗚尊が乱暴を始めた?」
「はい、それ故大勢の若者たちが、尊を搦めようと致しますと、平生尊の味方をする若者たちが承知致しませんで、とうとうあのように何年にもない、大騒動が始まったそうでございますよ。」
思兼尊は考え深い目つきをして、部落に上っている火事の煙と、尊の胸にすがっている娘の顔とを見比べた。娘は月に照らされたせいか、鬢の乱れた頬の色が、透き徹るかと思うほど青ざめていた。
「火を弄ぶものは、気をつけないと、――素戔嗚尊ばかりではない。火を弄ぶものは、気をつけないと――」
尊は皺だらけな顔に苦笑を浮べて、今はさらに拡がったらしい火の手を遥に眺めながら、黙って震えている姪の髪を劬るように撫でてやった。
二十三
部落の戦いは翌朝まで続いた。が、寡はついに衆の敵ではなかった。素戔嗚は味方の若者たちと共に、とうとう敵の手に生捉られた。日頃彼に悪意を抱いていた若者たちは、鞠のように彼を縛めた上、いろいろ乱暴な凌辱を加えた。彼は打たれたり蹴られたりする度毎に、ごろごろ地上を転がりまわって、牛の吼えるような怒声を挙げた。