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Japanische Klassiker mit Furigana

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すさのおのみこと

素戔嗚尊

芥川 竜之介

Lesen Sie 素戔嗚尊 (すさのおのみこと) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.917 Zeichen · 86 Bildschirme

Aozora Bunko

二十六

」

素戔嗚は意外の感に打たれて、思わず眼を大きくした。

「男は一人もいないのか。」

「一人も居りません。」

「この近くの洞穴には?」

「皆私の妹たちが、二三人ずつ住んで居ります。」

彼は顔をしかめたまま二三度頭を強く振った。火の光、床の毛皮、それから壁上の太刀や剣、――すべてが彼には、怪しげな幻のような心もちがした。殊にこの若い女は、きらびやかな頸珠や剣を飾っているだけに、余計人間離れのした、山媛のような気がするのであった。しかし風雨の森林を長い間さまよった後この危害の惧のない、暖な洞穴に坐っているのは、とにかく快いには違いなかった。

「妹たちは大勢いるのか。」

「十六人居ります。――ただ今姥が知らせに参りましたから、その内に皆御眼にかかりに、出て参るでございましょう。」

成程そう云われて見れば、あの猿のような老婆の姿は、いつの間にか見えなくなっていた。

二十六

素戔嗚は膝を抱えたまま、洞外をどよもす風雨の音にぼんやり耳を傾けていた。すると女は炉の中へ、新に焚き木を加えながら、

「あの――御名前は何とおっしゃいますか。私は大気都姫と申しますが。」と云った。

「おれは素戔嗚だ。