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Japanische Klassiker mit Furigana

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すさのおのみこと

素戔嗚尊

芥川 竜之介

Lesen Sie 素戔嗚尊 (すさのおのみこと) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 42.917 Zeichen · 86 Bildschirme

Aozora Bunko

が、彼等がただ勝負にのみ興味を持っていると云う事は、――彼自身に対してはやはり好意を持っていないと云う事は、彼等の意地悪るそうな眼の中にも、明かによめる事実であった。

それでも彼は相不変悠々と手に唾など吐きながら、さっきのよりさらに一嵩大きい巌石の側へ歩み寄った。それから両手に岩を抑えて、しばらく呼吸を計っていたが、たちまちうんと力を入れると、一気に腹まで抱え上げた。最後にその手をさし換えてから、見る見る内にまた肩まで物も見事に担いで見せた。が、今度は投げ出さずに、眼で猪首の若者を招くと、人の好さそうな微笑を浮べながら、

「さあ、受取るのだ。」と声をかけた。

猪首の若者は数歩を隔てて、時々髭を噛みながら、嘲るように彼を眺めていたが、

「よし。」と一言答えると、つかつかと彼の側へ進み寄って、すぐにその巌石を小山のような肩へ抱き取った。そうして二三歩歩いてから、一度眼の上までさし上げて置いて、力の限り向うへ抛り投げた。岩は凄じい地響きをさせながら、見物の若者たちの近くへ落ちて、銀粉のような砂煙を揚げた。

大勢の若者たちはまた以前のようにどよめき立った。が、その声がまだ消えない内に、もうあの猪首の若者は、さらに勝敗を争うべく、前にも増して大きい岩を水際の砂から抱き起していた。