Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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そうもくちゅうぎょ

艸木虫魚

薄田 泣菫

Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

返辞

1

返辞

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新入学生が、初めて学校の校庭を踏むときには、地べたを護謨毬か何ぞのように感じるほど、神経質になるものだが、ある年の新学期にエエル大学に入って来た若い人たちのなかに、とりわけ神経質な学生が一人あった。

部長 Jones は、その学生の家族たちと懇意にしていたので、学生が訪ねて来ると、愛想ぶりに連れ立って学校のなかを方々案内して見せた。

その時ちょうど教会堂の鐘が鳴り出していた。さきがたからしきりと話の題目を捜していた若い学生は、やっときっかけを見つけたように言葉をかけた。

「あの鐘は、すてきによく鳴るじゃありませんか。」

部長はずぼんの隠しに両手を突っ込んだまま、他の事でも考えているらしく、何一つ答えてくれなかった。新入生は胸に動悸を覚えた。

「あの鐘はよく鳴りますね。僕気に入っちゃった。」

彼は半分がた自分に話すもののように言った。部長は何とも答えなかった。

「鐘の音が、たまらなくいいじゃありませんか。」

新入生は泣き出しそうになって、やけに声を高めた。

「何かお話しでしたか。」部長はやっと気づいたように、今まで地べたに落していた考ぶかい視線を、若い道連れの方へさし向けた。