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Japanische Klassiker mit Furigana

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そうもくちゅうぎょ

艸木虫魚

薄田 泣菫

Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

そうかも知れない。」

博士は藍表紙のテオクリトスを手にとると、署名の書き入れでも捜すらしく、前附の紙を一枚一枚めくっていたが、そんなものはどこにも見られなかった。

私は膝の上に取残されたピンダロスの緑色の表紙を撫でながら、前の持主を喘息か何かで亡くなった宣教師だと思い違いせられた、その運命を悲しまぬわけに往かなかった。

「宣教師だなんて、とんでもない。宣教師などにお前がわかってたまるものかい。――だが、こんなことになったのも、俺が蔵書印を持合さなかったからのことで。二度とまたこんな間違いの起らぬように、大急ぎで一つすばらしい蔵書印をこしらえなくちゃ……」

私はその後D博士を訪問する度に、その書斎の硝子戸越しに、幾度かこの二冊の書物を見た。その都度書物の背の金文字は藪睨みのような眼つきをして、

「おや、宣教師さん。いらっしゃい。」

と、当つけがましく挨拶するように思われた。

私はその瞬間、

「おう、すっかり忘れていた。今度こそは大急ぎで一つ蔵書印のすばらしく立派な奴を……」

と、いつでも考え及ぶには及ぶのだったが、その都度忘れてしまって、いまだに蔵書印というものを持たないでいる。