Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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そうもくちゅうぎょ

艸木虫魚

薄田 泣菫

Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

2

そうした弱者であるだけに、こっそりとそこらの蛤の家に潜り込み、宿の主人といがみあいもしないで、仲よく同じ屋根の下で、それぞれの本性に合った、異った生活を営むことも出来るので、こんな貧しい、しかしまたむつまじい生活を与えてくれる自然の意志と慈愛とは、感嘆に値いするものがある。

この小さな蟹の第二指と第五指とが、人間のそれと同じように、第三指や第四指に比べて少し短いのは、どうした訳であろうか。自然はこんな目で測られないような小さなものにまで、細かい意匠の変化を見せて、同じものになるのを嫌っているのではなかろうか。

2

他人の軒さきを借りて生活をする貝隠れとは打って変って、広い海の上を漂泊することの好きな蟹に「おきぐらぷすす」がある。胆の太い航海者が小さなぼろ船に乗って、平気で海のただ中に遠出をするように、この蟹はそこらに有合せの流れ木につかまって、静かな海の上を波のまにまにところ定めず漂泊するのが、何よりも好きらしい。この小さな冒険者に不思議がられるのは、彼が広い海の上を乗り歩く娯しみとともに、また新しい港に船がかりする悦びをも知っているらしいことだ。