Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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そうもくちゅうぎょ

艸木虫魚

薄田 泣菫

Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

魚の憂鬱

和尚は身のまわりに何一つ物らしい物を蓄えないで、夏も冬もたった一枚の衣でおっ通したほど、無慾枯淡な生涯を送ったものだった。腹が空くと、衣の裾をからげて水に入り、海老や、貝といったようなものを採って、うまそうに食っていた。僧かと思えば僧でもなく、俗かと見れば俗でもなさそうで、一向そんなことに無頓着で、出入自在、その日その日の生命に無理な軛を負わせないで、あるがままに楽み、唯もう自然と遊戯しているつもりで暮していたらしかった。

この老和尚を描いたものに、渡辺崋山の作品がある。それは禿頭の和尚が、幾らか屈み腰に、左手に持った網を肩にかたげたまま、右手の指の間にぴちぴち跳ねまわる海老を捉えている図で、脚下に芦の葉が少し描き添えてあるのみなのが、枯淡な老和尚の面目にふさわしかった。

「贅沢な老人だな。こんな採りたての、活のいい海老を食べるなんて。」

私はその絵を見ているうちに、和尚の無一物の生活の豊かさが羨ましくなって、ついこんなことを思ったことがあった。

魚の憂鬱

池のほとりに来た。蒼黒い水のおもてに、油のような春の光がきらきらと浮いている。ふと見ると、水底の藻の塊を押し分けて、大きな鯉がのっそりと出て来た。