Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme
五
「私はうすうす存じておりました。日の暮れる前に、店で耳打をしているのを聞きましたんで、ヘエ――」
理三郎は少し極り悪そうに小鬢を掻きます。
「外に聞いた者はないだろうな」
「小僧が二人ぐらい、小耳に挟んだかもわかりません」
「誰と誰だ」
「吉之助と宮次だったようで」
「それっきりか」
「ヘエ――」
「すると、若旦那の甲子太郎は、お国と左太松に怨みがあったわけだね」
平次は外の事を言っております。
「でも親分」
理三郎はあわてて両手を振りました。平次の口調では、理三郎が希ったとはあべこべに、形勢は甲子太郎に悪くなるばかりです。
五
その日のうちに、平次は八丁堀に飛んで行って、与力の笹野新三郎に逢い、事件の外貌をもう一度調べ直した上、常盤橋の猪之吉を訪ねて、一応渡りをつけました。
「いいとも、銭形の兄哥が乗出しゃ、すぐ目鼻がつくよ」
少し持て余し気味の猪之吉は、思いの外手軽に承知をしてくれます。甲子太郎を縛ったものの、本人は頑強に口を緘む上、証拠が一つもなくて、実は内々閉口していたのでした。
「それじゃ、室町へ行ってみるとしよう。兄哥も付き合ってくれ」
平次は猪之吉を先に立てて室町の小法師甲斐に乗込みました。