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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

四

「お福は深傷だが、折角ここまで運んだ祝言、息のあるうちに杯事がしたいと言うのだよ。しおらしい望みじゃないか。父親の勘兵衛は、涙ながらにその支度をしている。幸い聟の錦太郎は浅傷だ、子刻(十二時)前に祝言の杯事をして、死んで行く娘を安心させようというのだ」

「…………」

ガラッ八と錦太郎はゴクリと固唾を呑みました。事件のあまりに不思議な展開に、考えることも、異議を挟むことも出来なかったのです。

「この上に妨げが入ってはいけない。浪蔵と信三郎と品吉は縛ってあるが、この上どこに寝刃を合せている者がないとは限らない。善は急げだ、手当が済んだら行こうか」

平次はこう錦太郎と八五郎を促し立てるのです。

四

その夜の婚礼は、世にも不思議なものでした。

多賀屋の二階二た間を打ち抜き、善美を尽した調度の中に、眩いばかりの銀燭に照されて、凄まじくも早桶が一つ置いてあったのです。

金屏風、島台、世の常の目出たいずくめの背景の中に、それはまた、何という恐ろしい取り合せでしょう。

早桶を中に、仲人宝屋祐左衛門夫婦、多賀屋の主人勘兵衛、親類五六人、老番頭宅松が左右に居並びました。

一歩、この席に入った錦太郎の顔色は、さすがにサッと変ったのも無理はありません。