Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme
七
大名が廓通いに夢中になったように、将軍家光が雑司ヶ谷の鷹狩に夢中になったのも無理のないことです。
「…………」
家光は黙って茶碗を取り上げました。本草家峠宗寿軒の煎じた薬湯、別に何の薬というでもありませんが、神気を爽やかにして、邪気を払う程度のもの、唇のところへ持って行くと、高価な薬の匂いがプーンとします。
七
天井裏に閉じ籠められた銭形の平次、幾刻――いや幾日眠らされたかわかりません。フト眼を覚すと、四方はすっかり明るくなって、天井裏ながら埃の一つ一つも読めそうです。怪奇な舞踊を思い出して、嘔気を催すような不愉快な心持になりましたが、お静の安否が心もとないので、もう一度ギヤマンの穴から覗くと、広間は広々と取片付けられて、白日の光が一杯にさし込み、忌わしい物など影も形もありません。
思い直して出口を探すと、今度はわけもなく見付かりました。壁は同じような樫の厚板で張り詰めてありますから、一箇所だけ手摺れがして、出入口ということはすぐわかります。しばらく押したり叩いたりしてみると、どうした弾みか、いきなりスーッと開きます。たぶん扉の下の踏み板に仕掛けがあったのでしょう。