Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme
「父上、地雷火は私がッ」
「お、娘頼むぞッ、あの犠牲も逃がすなッ」
親娘は最後の言葉を交すと、総縫い松竹梅の小袖は、大鳥のようにサッと奥へ飛込みます。
犠牲と聞いて平次は驚きました。捨鉢になった宗寿軒父娘が、地雷火で高田御殿を吹き飛ばすとなると、あの可哀想なお静の命はひとたまりもありません。金箔を置いて一度は祭壇に載せた処女の身体は、いずれあの広間のどこかに隠してあるに相違ないでしょう。
「笹野の旦那、こいつを頼みます」
「お、心得た」
その内に遠慮して遠退いていた近習達も、騒ぎを聞いて駆け付ける様子。平次は猛然として突っかかって来る宗寿軒を、一つかわして芝生の上に叩きのめすと、身を退いてサッとお小夜の後を追いました。挫いた足首は、焼金を当てるように痛みますが、今はそんな事を言っている揚合ではありません。
勝手を知った大広間の中へ入ると、プーンと鼻を衝く煙硝の匂い、地雷火の口火は早くも点けられたのでしょう。
今さら事の危急な勢いに、平次はゾッと総毛立ちましたが、お静を匿した場所はまるで見当が付きません。
「お前は銭形平次、もう駄目だよ。一緒に死ぬばかりだ」