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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうした、清五郎」

少し不機嫌な声で、貫兵衛はとがめます。

「いえ、少し気になることがございます」

「なんだ」

「あれを――気が付きませんか、橋場のあたりでしょう。闇の中に尾を引いて、人魂が飛びましたよ」

「あれッ」

女三人は思わず悲鳴をあげました。

「おどかしてはいけない、たぶん四つ手駕籠の提灯かなんかだろう」

と貫兵衛。

「そんな事かもわかりません、――ああ結構なお酒でございました、――もう一杯頂戴いたしましょうか」

清五郎は綺麗に呑み干した盃を、お蔦の前に突き付けるのです。

「それはいけない、酒にも人数にも限りがある。その次は菊次郎だ」

「そうおっしゃらずにもう一杯、――頬っぺたが落ちそうですよ」

「いや、重ねてはいけない、それ」

貫兵衛が目配せすると、お蔦は清五郎の手から盃をさらって、菊次郎のところへ持って行きました。貫兵衛の義理の弟で三十前後、これは苦み走ったなかなか良い男です。

菊次郎もどうやら一杯呑みました。義兄が秘蔵の赤酒は、こんな時でもなければ口に入りそうもありません。

続いて芸者のおりんとお袖、お蔦は呑む真似だけ。大方空っぽになった徳利は、盃を添えて艫のお燗番のところに返されました。