Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme
勘兵衛はブルンブルンと頭を振りました。
「よしよし。それでは、仲屋の先代の遺言通り、三千両に利息をつけて、この錦太郎に返してやっちゃどうだ、――いやならお白洲へ持出すが」
「それは親分、殺生ですよ、三千両に十年間の利息をつけて出しちゃ、多賀屋が潰れてしまいます」
勘兵衛は泣き出しそうです。
「貧乏になるのも洒落ているぜ。世帯の苦労をさせると、第一娘がもう少し悧口になるよ、貧乏の味のよさを知らないのが金持の落度なんだ」
「親分、それは可哀想じゃございませんか」
「まだまだ可哀想な人間は、広い世間にうんとあるぜ」
平次はなかなか譲りそうもありません。
「親分」
錦太郎は顔をあげました。
「何だい」
「お礼の申上げようもございません。――親分のお心持はよく解りました。そうとも知らずに、御手数を掛けた上、数々悪口なんか言って――」
錦太郎はポロポロと涙をこぼしながら、畳の上へ双手を突くのです。
「気が立つと、余計な事も言うものだ。そんな事は心配しなくていい」
と平次。
「親分、――私もこのうえ慾張ったことは申しません。あの化け娘と一緒にならずに三千両返して貰えば、それでたくさんです、――利息なんか、一文も要りません」