Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme
「…………」
仲間の鉄は黙りこくって下ばかり見詰めております。深沈たる顔色です。
「八、この野郎は容易に口を割るめえ。請人を捜して、うんと絞ってみろ。どうせ所名前も偽だろう。本当の素姓が判ったら、親も女房子も皆んな縛り上げて来い」
平次は峻烈でした。
「よし、言うよ、みんなブチまけるよ」
鉄は頭を上げました。
「紅筆の願文を書いたのはお前か」
石川孫三郎は掴みかかりそうでした。
「違うよ、御用人、そんな腐った女のような事をするものか。俺はいかにも、横山一家に怨みがある。わけても若殿の時之助には、足を一本叩き折って、肥たごへ投り込みたいほどの怨みがある」
「黙れッ」
孫三郎は我慢がなり兼ねました。
「俺の母親が、ちょうどそんな目に逢ったんだ。やい、味噌擂り用人奴、よっく聞きやがれ」
鉄は言うのでした。――今から三年前、若殿時之助がまだ丈夫で元気だった頃、甲州街道を遠乗りして、笹塚で百姓女を一人蹄にかけて大怪我をさせたことがありました。女が高荷を背負っていたために、馬が驚いて狂奔したというのを理由に、気の立っていた時之助は、怪我をして肥たごに落ちた女を見捨て、そのまま屋敷へ引揚げて来たのです。