Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme
女は鉄の母親でした。足を折った上、馬に蹴られた場所が悪かったか、そのまま床に就いて枕もあがらず、あまりの事に、人を頼んで横山家に掛け合いましたが、けんもほろろの挨拶で、相手にもしてくれません。
鉄は多血性男子でした。母の看護を小さい妹に任せ、江戸へ出て転々奉公しているうち、縁があって、素姓を隠したまま、横山家の仲間部屋に入り込んだのです。
「あわよくば殿様の前へ出て、思い切り啖呵を切るか、若殿をもう一度馬に乗っけて、足の一本も折ってやろうと思ったのさ。殿様は御病気、若殿も馬に乗る様子もねえ。いい加減に諦めてオン出てやろうと思っている矢先だ、妹へ紅や半襟を買ったのは、久しぶりで笹塚へ帰る土産だよ。解ったか、味噌擂り奴、――手前は腹の悪い人間じゃねえが、主人大事が嵩じて、外の者へツラく当りすぎるよ、気を付けやがれ」
「…………」
石川孫三郎も一句もありません。
「紅筆の何とかを書いて、人に嫌がらせをするような、そんなケチな野郎じゃねえ。見損ないやがったか」
鉄は土間に大胡座をかいて、精一杯の啖呵を切るのです。
「よしよし解った、が、そう解った上はこの屋敷へおくわけに行かねえ、俺と一緒に来い」