Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

二

平次の声は小さくなりました。

「ヘエ」

「そのうえ仲屋は十年も前に身代限りをして、近頃はその日の物にも困っているんだ、錦太郎どんなに歯ぎしりしても、多賀屋へ聟にでも入らなきゃ身の立てようはない」

「…………」

「親と親との昔々の約束は、お福を仲屋が貰って、錦太郎の嫁にするはずだったとよ、それが、仲屋の主人が死んで、身代が滅茶滅茶になって仕舞うと、一人娘を嫁にくれとは言いにくかろう」

「なるほどね」

「もっとも錦太郎は腹の中じゃ面白くないかも知れないよ、――それに、聴こえるかい、八」

「ヘエ」

「錦太郎には他に言い交した女があるんだってね」

「太え野郎だね」

「でも、背に腹は代えられなかったのだろう」

「俺なら背と腹を代えるがな」

「それは他人様の言うことだ、――おや?」

不意に平次は聴き耳を立てました。

「何です、親分?」

「変な音がしたようだ、――来い、八」

「あっしが行っても構いませんか」

「その窮屈袋と紋付をかなぐり捨てるんだ」

言い捨てて平次は飛出しました。かなり大きな構えですが、唐紙を二つばかり開けると、そこは嫁の支度部屋になっていたのです。

二

「あっ」

「灯だ、灯だ」