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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

「お澪さんは、いつ頃から周助を知っていたんだ」

と平次。

「ずっと、――小さい時から知っています」

「国許にいる時からだね」

「いえ、私は江戸の事しか知りません、九州で生れたということですけれども」

「周助は身寄りではなかったのだね」

「え、でも、叔父さんのように思っていました」

「魚屋の伝吉は?」

「…………」

お澪は黙って真っ赤になってしまいました。うな垂れると、よく鼻筋が通って、柔かい頬のふくらみ、眉のあたり打ち霞んで、不思議に可愛らしい娘です。

「これは、ぜひ訊いておきたいが、――伝吉と、お前と、何か約束でもあったのかい」

「…………」

娘は何にも言いませんが、妙に打ち湿った姿です。

「二人の間に何か約束をした――と思って構わないだろうな」

「でも、父さんが許しては下さいません」

「なるほどね――」

「私は――」

あとはもう何にも言えませんでした。

「父親が承知しないのは、ワケのある事だろう」

「奉公をしろと――」

お澪は涙の隙にこれだけの事を言うので精一杯でした。

「よしよし、もうお前を困らせない。あんまり物事はクヨクヨしないことだ。思案に余ることがあったら、俺にそう言って来るがいい、十手捕縄を投り出して、相談に乗ってやろう」