Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme
九
「ありそうな事だ、親分」
「そんな事を言われちゃ閑斎はたまらない、そうでなくてさえ、伝吉との間を割かれて、妾奉公をさせられる事になってから、お澪は父親を怨み抜いている」
平次の想像は一つの無理もなく、次第次第に大きな現実の姿に築き上げられて行くのでした。
九
「ところで、松永町の隠居はどうした」
平次は不意に他の事を訊きました。
「大した病気じゃありませんよ、長い間の喘息なんだそうで」
「真夏に喘息が悪くなったのか」
「悪くなったわけじゃないが、呼びもしないのに閑斎が来て、戌刻過ぎまで無駄話をしていたそうですよ」
「松永町の伊勢屋から、佐久間町一丁目裏の三軒長屋は近いな、八」
「背中合せだぜ、親分」
「それだッ、無人の家を空けて、薬箱持ちの男もいない夜中、わざわざ呼びもしない病人のところへ行ったのは、深い企みがあったからだ」
「あっしもそれを言いたかったんだ、親分」
「三軒長屋の裏から廻って、伝吉の家のお勝手から入りゃ、金棒曳きの駄菓子屋の女房も気が付くわけはねえ、灯が点いたのを見て伝吉が帰ったものと思い込んでいる」
「すると、親分」
「その晩伝吉が友達の祝言で遅くなることを、閑斎はお澪の口からでも聞いたんだろう。