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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 137.868 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

――盗られた金は二千両だが、これが出て来なければ、役向き不取締で、この奥宮鏡太郎腹でも切らずばなるまい。拙者が腹を切れば、下役二人も生きてはいまい、その女房子供も路頭に迷うことであろう。いわば人間の命幾つにも及ぶ事件、何とかなるまいかの、平次殿」

奥宮鏡太郎、畳の上に手を突き、分別盛りの額を埋めての懇願です。

「お大名方御屋敷に起ったことは、町方の者ではどうにもなりませんが、自由にお屋敷の中へ入れて下されば、なんとか工夫をしてみましょう」

平次もツイ相手の真剣さに引入れられます。

「それは易いことじゃ、お屋敷へ自由に出入りのことは拙者が引受けよう」

そう言ってくれるのは、用人玉垣三郎兵衛、これでどうやらこうやら段取りだけは出来ました。

「それではお供いたします」

市ヶ谷の尾州邸へ出かけて行った平次は、奥宮鏡太郎の案内で、内外隈なく見廻りましたが、捕物の名人と謳われた銭形平次の慧眼でも、何の証拠も掴むことは出来なかったのです。

塀も高く見張りも厳重で、容易のことでは外から忍べそうもありませんが、屋敷の中には、まさか二千両の大金を持出すような不心得者があるはずはなく、それに金蔵の扉も土台も無事で、引っ掻きほどの傷もついていないところなど、近頃御府内を騒がしている、山脇玄内の手口でなければなりません。