Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきぐにのはる

雪国の春

柳田 国男

Lesen Sie 雪国の春 (ゆきぐにのはる) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.000 Zeichen · 266 Bildschirme

Aozora Bunko

清光館哀史

一

八木から一里余りで鹿糠の宿へくると、ここでも浜へ下る辻の処に、小判なりの大遺跡がある。夜明け近くまで踊ったように宿のかみさんは言うが、どの娘の顔にも少しの疲れも見えぬのはきついものであった。それから川尻角浜ときて、馬の食べつくした広い芝原の中を、くねり流れる小さな谷地川が、九戸、三戸二郡の郡境であった。青森県の月夜では、私はまた別様の踊りに出遭った。

(大正九年八月・九月「東京朝日新聞」)

清光館哀史

一

おとうさん。今まで旅行のうちで、一番わるかった宿屋はどこ。

そうさな。別に悪いというわけでもないが、九戸の小子内の清光館などは、かなり小さくて黒かったね。

こんな何もない問答をしながら、うかうかと三、四日、汽車の旅を続けているうちに、鮫の港に軍艦が入ってきて、混雑しているので泊まるのがいやになったという、ほとんど偶然に近い事情から、何ということなしに陸中八木の終点駅まできてしまった。駅を出てすぐ前のわずかな岡を一つ越えてみると、その南の坂の下が正にその小子内の村であった。

ちょうど六年前の旧暦盆の月夜に、大きな波の音を聞きながら、この寂しい村の盆踊りを見ていた時は、またいつくることかと思うようであったが、今度は心もなく知らぬ間にきてしまった。