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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきぐにのはる

雪国の春

柳田 国男

Lesen Sie 雪国の春 (ゆきぐにのはる) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.000 Zeichen · 266 Bildschirme

Aozora Bunko

花と日の光

にでも行こうかという土地が、今では非常に少なくなってしまったからである。瀬戸内海の小さな島などでは、あるいは保存に適したものもあろうが、実はあの辺では人間が少し多過ぎて、おまけに精巧をきわめた鉄砲を持ち、一日に七十打ったの百羽捕ったのと、自慢をしたがる馬鹿な人がすぐやってくる。秋田県の北のはずれの猟区のごときは、設定者のためには少し気の毒かもしれぬが、そんな金持はまだ当分はきても少なそうである。

花と日の光

自分が男鹿に遊んだのは、五月第三の日曜、月曜であった。もとより偶然の選定ではあったけれども、ひとり野の鳥の声を聞くばかりでなく、海山の色を見るにも、これが恐らく最上の季節かと思われた。今後の行楽者もこのころを中心にして、半島の旅を計画せられんことを勧める。

山が霞んで遠景の隠れる点では、あるいは秋の中ごろに劣るという人があろうが、その代わりには峰の桜がある。黒木に映ずる柔らかな若葉の色がある。全体にこの地の人々は、まだ山の花を愛する慣習がないと見えて、あれだけの樹林と村居とに比べては、見渡したところ天然の彩色が少し淋しいと思った。今ある桜などもかつて山詣での最も盛んな時代に、栽えておいたらしい数株の老木のみである。