Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきぐにのはる

雪国の春

柳田 国男

Lesen Sie 雪国の春 (ゆきぐにのはる) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.000 Zeichen · 266 Bildschirme

Aozora Bunko

久しい以前より自分はこの人の旧知の家を尋ね、ことに三河の本国の村里を物色して、どうしてこういう寂しくもまた骨折な生涯の旅行が始まったかを知ろうとしているのだが、まだ生まれた家の所在すらも明らかにならぬ。くり返して彼の紀行を読んでみると、何かあの時代としては珍しい事情があって、かかる遠国の大雪の底に、空しく親を思う百篇の歌を、埋めるにいたったことは想像しえられるが、『遊覧記』はそういう身の上話をするような私事の日記ではなかったのである。「雪国の春」を校正する片手に、ふと心づいて拾い読みに、再びいくつかの巻の正月の条を出してみたが、精彩ある村々の初春行事よりも、なお鮮かに自分の眼に浮かぶのは、囲炉裏の片脇に何の用もなくて、ぽつんとして見ていた菅江真澄の姿である。年越の宵暁は主人は神祭りに、刀自は食べ物の用意に余年もない時刻であって、今年ばかりの遊歴の文人に、手伝ってもらう仕事は一つもないばかりか、おちおちと話の相手になる者もあったはずがないのである。外がきらきらと晴れた日でもあれば、出でて山を望み雀の声を聞きもしたが、吹き荒れている時はしようこともない。