Japanische Klassiker mit Furigana
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
Lesen Sie 青蛙堂鬼談 (せいあどうきだん) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.438 Zeichen · 238 Bildschirme
泊りたければここへ自由にお泊りなさいと、ひどく親切に言ってくれるのだ。泊めてもらおうじゃないか。」
「もちろんだ。多謝、多謝。」と、僕たちは口をそろえてかの老人に感謝した。
老人は笑いながら立去った。あとでT君は畑にどんなものがあるか見て来ようと言って出たが、やがて五、六本の見事な唐もろこしをかかえ込んで来た。それはいいものがあると喜んで、M君がまた駈け出して取りに行った。家の土間には土竈が築いてあるので、僕たちはその竈の下に高粱の枯枝を焚いて唐もろこしをあぶった。めいめいの雑嚢の中には食塩を用意していたので、それを唐もろこしに振りかけて食うと、さすがは本場だけに、その旨い味は日本の唐もろこしのたぐいでない。
僕たちは代るがわるに畑からそれを取って来てむさぼり食らっていると、かの老人は十五六の少年に湯わかしを持たせて、自分は紙につつんだ砂糖と茶を持って来てくれたので、僕たちは再び多謝をくり返して、すぐに茶をこしらえる支度をして、その茶に砂糖を入れてがぶがぶと飲みはじめた。唐もろこしを腹いっぱいに食い、さらにあたたかい茶を飲んで、大いに元気を回復したのを、老人はにこにこしながら眺めていたが、やがてT君にむかって小声で言い出した。