Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme
退出する裃と、出仕の裃とが、肩をかわして挨拶してすぎる。
いわば、まあ、交通整理があってもいいくらいの、人通りのお廊下だ。
その真中で、南のお奉行大岡様をつかまえて、愚楽老人が、かれ独特のたんかをきっているんですから、たちまち衆目の的になって、
「またお羽織が、横車を押しているぞ」
「ぶらさがられておるのは、大岡殿じゃ。早くあやまってしまえばよいのに」
それは、言うまでもないので、大岡越前、さっきからこんなに、口をすっぱくして詫びているんですが、愚楽老人、いっかな退かない、
「この年寄りは胸をさするにしても、お羽織がうんと承知せぬわい」
無礼御免の大声をあげた愚楽は、
「こっちへござれ! 篤と言い訳を聞こう」
そう、もう一つ聞こえよがしにどなっておいて、ぐいと大岡様の袖を掴むなり、そばの小部屋へはいっていく。
大岡越前守忠相は、泰然たる顔つきです。愚楽老人に袖をとられたまま、眉一つ動かさずに、その控えのお座敷へついて行きましたが……ピシャリ、境の襖をたてきった愚楽、にわかに別人のごとき声をひそめ、
「ただいまは、とんだ御無礼を――ま、ああでもいたさねば、尊公と自然に、この密談に入るわけにはまいりませなんだので」