Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme
左膳としては。
足に踏まえているこけ猿の壺にも、気をくばらねばならぬし、うしろのチョビ安にも、心をとられる。
左膳の濡れ燕を、頭上斜めにかざして、ガッシリと受けとめるが早いか、二本の剣は、さながら白蛇のようにもつれ絡んで……鍔競り合いです。
歯をかみしめた左膳の顔が、闇に大きく浮かびでる。
鍔ぜり合いは、動の極致の静……こうなると、思いきり敵に押しをくれて、刀を返しざま、身を低めて右胴を斬りかえすか。
または……。
こっちが押せば向うも押し返す、この押し返して来たところを力を抜き、敵の手の伸びきったのに乗じて、やはり刀をかえして右胴を頂戴するか。
二つに一つ。
だが、鍔競りあいの胴打ちは、大して力のきかぬものとされているから、どう動くにしても、最大の冒険です。
先にうごいたほうが、命をとられる。左膳も、その覆面の敵も、ギリッと鍔をかみあわせたまま、まるで二本の柱のように、突ったっている。とりまく一同も、柄を持つ手に汗を握って、声もありません。
三
真夜中の斬りあいに驚いて、両側の商家の二階窓が、かすかに開き、黄色い灯の条のなかに、いくつも顔が並んで見下ろしている。