Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme
ところが、その夜。
八ツ山下の本陣、鶴岡市郎右衛門方の泊りで、
「若ッ! 一大事出来! 三島の宿で雇い入れました鼓の与吉という人足めが、かのこけ猿の壺をさらって、逐電いたしましたっ!」
えらい騒ぎ。波紋の石は、まずこの江戸の咽喉首、品川の夜に投ぜられて、広く大きく、八百八町へひろがっていく。
その、江戸は本郷、妻恋坂に。
十方不知火流という看板を掲げた司馬老先生の道場が、柳生の若様の婿入り先で、娘を萩乃といいます。老先生は長のいたつき、後妻のお蓮さまという大年増が、師範代峰丹波とぐるになって、今いい気に品川まで乗りこんできている源三郎を、なんとかしてしりぞけ、道場をぶんどろうと企んでいるのだ。
「老先生がおなくなりになるまで、婿引出をぬすみ隠して、源三郎めを品川へとどめておけ」
つづみの与の公、この丹波の命をうけて供の人数へ紛れこみ、こけ猿の茶壺をかつぎだしたのです。引出物がなくては、お婿さんの行列は立ち往生。
一同、品川で足どめを食った形。あの辺の青楼やなんかは、イヤもう、どこへ行っても伊賀訛でいっぱいだ。毎日隊伍を組み、豪刀をよこたえて、こけ猿の茶壺やいずこ? と、江戸市中をさがしまわっている。