Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 241.861 Zeichen · 480 Bildschirme
やがてそれも、森かげへのまれた。
フと、くッくッと咽喉のつまる声がして、源三郎はギョッとしてお蓮様を見かえりました。
顔をおおって、お蓮さまは泣いている。小むすめのように、両の袂で顔をかくし、身も世もなく肩をきざませているお蓮様――。
と、その声がだんだん高くなって、お蓮さまはホホホホホと笑いだした。
泣いているんじゃアない。はじめっから笑っていたんだ。
「ほほほほほ、まあ! 源三郎さんのまじめな顔!」
チラと膝先をみだして、擦りよるお蓮様のからだから、においこぼれる年増女の香が、むっとばかり源三郎の鼻をくすぐります。
「ねえ、源さま。なるほど、お亡くなりになった先生は、萩乃の父ですけれど、それなら、いくら後添えでも、このわたしは彼娘の母でございますよ」
いかにもそれに相違ないから、源三郎はだまっていると、お蓮さまはそれにいきおいを得て、
「それなら、いくら父だけが一人で、あなたを萩乃のお婿さまにきめて死んでいったところで、この母のわたしが不承知なら、このお話は成りたたないじゃアありませんか」
この辺から、お蓮様の論理は、そろそろあやしくなって、
「いつまでたったって、萩乃はあなたのお嫁じゃございませんし、道場もあなたのものではないのですよ、源様」